新型コロナウイルスは未知のウイルスであり、ワクチン等の即効薬もないことから、収束時期が見えずに誰もが恐怖と不安を感じています。
“知らないこと”それは恐怖であり、不安でもあります。しかし、一度冷静になって立ち止まり、国や県などの正しい情報に耳を傾け、落ち着いて対応してください。
本来であれば、死亡数は比較するものではなく、そもそも最悪の事態を食い止めることが我々の使命ですが、新型コロナウイルスの死亡数は現時点において全国で500人程度、誰もが知っているインフルエンザでも2018年の数字にはなりますが、3,325人の死亡数となっており、医療従事者をはじめ、たくさんの皆様にご尽力いただいているおかげで、新型コロナウイルスの致死率は3%にとどまっています。
新型コロナウイルスは、即効薬等がないことやその感染力の強さから恐怖の対象となっていますが、本当に怖いのは、恐怖や不安から生じる、ヒトがヒトに対して行う差別や人権侵害のような社会的な恐怖です。
今、私達一人ひとりができることは、自身の命と健康を守るために、生活を維持するために必要な外出以外は自粛すること、外出する場合であっても感染防止対策を徹底すること、そしてそのことを家族や友人と共有し、大切な人達を守るとともに、医療現場の皆様の負担を軽減し、望まずに感染してしまった方の命と健康を守ること、そして差別や人権侵害などは絶対に行わないことです。
“冷静に怖がる”、新型コロナウイルスが中国で流行しだした頃から、専門家の話に出ていましたが、誰でも先が見えない物事は不安ですが、正に今こそ、煽られたり感情的にならず、現実的に情報を「落ち着いて」整理し、「冷静に怖がる」ことで、「冷静に」対策していくことが、一番大切であると考えています。
私をはじめ、県としても最大限の努力で、今考えうる最善の策を全力で行ってまいりますので、県民の皆様におかれましても、自身が明日を健康で迎えるため、大切な家族や友人と過ごすかけがえのない時間を守るため、ご理解・ご協力をお願いいたします。
令和2年5月5日
三重県知事 鈴木 英敬